最近の洋ゲー和ゲー論争やその周辺をみていると、そんな気になる。
http://www.eiren.org/toukei/data.html
これをみてほしい。映画の興行収入データの推移。かつて、映画は娯楽の王様だった。スクリーンの数は今の何倍もあった。黒沢、小津、溝口と世界的な評価を受ける監督がひしめいていた。世界的にも映画大国だった。
ところが、テレビの普及もあってスクリーンが急減する。70年代くらいからは入場者数も減っていく。単価の上昇もあって収入は増えるが、結局80年代に入り収入も減り、90年代には完全に下火になる。
一方で洋邦比率もみてみると、50年代60年代はまさに邦画全盛期だったが、70年代に逆転し始めて、90年代には何とも洋画が70%近くになる。僕はこの頃高校から大学で過ごしていたが、周囲の雰囲気を見ても「邦画なんて見るものじゃない」だった。この頃の人に映画について聞いてみると、好きな映画はことごとく洋画でしょう。個別の推移を見ると、飛び抜けて収入を稼ぐ邦画があるものの、全体としては洋画が中心。
例えば、入場者数が最低を記録した96年前後の洋邦比率はを見ると、
というもの。
実際の中身をみてみると、
という感じ。
なんてものだった。まさに今のJRPG批判と一緒。
あと10年もすれば、日本におけるゲームなんて「わざわざ一万も二万もする、ゲームしかできない機械なんて買わない、スマートフォンで良い」「和ゲーはありきたりでつまんない」「洋ゲーの派手な演出の方がなんだかんだで金かかっているし、面白い」という評判になって、ゲームをやるとしたら「とりあえず任天堂」か「洋ゲーのローカライズ待ち」なんてことになるかもしれない。
だから、まさに映画の70年代から80年代に差し掛かっている今この時点で上を目指せないゲーム会社は、早晩ダメになるし、日本の市場のためにも良くない。今は、宮本茂が黒沢明、堀井雄二が小津安二郎でいてくれるけど、その後継者が日本、海外で成果をあげられなくなったら、衰退して、ジリ貧になるね。海外指向を非難するユーザーらも同罪。別につまらないゲームは無理にやらなくてもいいけど、非難するのは意味がない。
個人的な感覚では、iPhoneゲームが既にそうなっている。一部の大手が既存の資産を投入しているけど、やっぱりアメリカの会社で作ったゲームの方がよくできている。日本発もそれなりだけど、続けるだけのモチベーションのあるものが少ない。「日本ではiPhone市場が...」なんて言っている間にアメリカ発、場合によっては中国、韓国発のゲームがどんどん質を向上させている。収益方法も無料でスタートでその後利益をあげる仕組みも整っている。Facebookとか使って利用者を根付かせる方法も確立している。
これで仮にiPhoneがもっと普及して、市場として本腰入れたいと思った頃には、とっくに参入余地がなくなっているよ。まあ、既に日本でも100万台とは言われているけど。
なんで、ゲーム会社、クリエイター、そして利用者も今の日本のゲーム業界が置かれている時代をもうちょっと自覚するべき。まあ、もしかすると、もう遅いのかもしれないけどね。
06年くらいから邦画の売り上げと洋画の売り上げ逆転してんだけどなw
で、その頃の洋画の大作に匹敵するくらい 国内で売れてる洋ゲーってなに? 逆に、邦画全盛時代、 マリオやゼルダ程度でも 海外に行って売れた邦画ってある?
あまり映画のアナロジーをひっぱりたくはないけど。 確かに家庭用ゲーム機ではいわゆる洋ゲーの大ヒットはシムシティみたいのを除いて多くないけど、それ以外の領域では洋邦比率は...