2019-01-23

古代カロリー栄養だった

カロリーは毒である

あればあるほど健康を損なう

電気仕掛けの絵箱に据え付けられた振動増幅器がそんな言葉を繰り返す。

遠くの空から飛んできた電気の波が、海の底から流れ込んできた光の束が、カロリーいか健康に害をなすかを諳んじるようになり幾星霜。

健康飲料とは体からカロリーを追い出す飲み物の事となり、健康食品とは食物繊維ミネラル含有量に対してカロリーが低い合成食品名前となった。


古代カロリー栄養だった。

カロリーこそが栄養だった。

種族を問わずあらゆる動植物が反映するか滅びるかを決めるのは安定したカロリー確保の如何であった。

時は流れて、人類飽食を知る。

穀物による人類奴隷化と、人類による動物家畜化が同時進行するうちに、人類の中から一握りの貴族が生まれた。

貴族達は美食を追い求める中ですでに食べたものを吐き出す術を身につける。

カロリー破棄の原点である

より美味いものをより沢山食べるためにカロリーを悪として捨てる時代ゆっくりと幕を開けた。

それから幾度も王が変わり帝が変わり、平民カロリーを毒と扱う時代が訪れた。

古代カロリー栄養だった。

その時代は遠い昔に過ぎ去った

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