2017-05-28

すぐれた読み切りマンガがあった

コンクールに応募された作品だった。当時も今も人気を誇る評者の漫画家たちは総じて「新人離れした」という形容を用いた。

しかし応募した本誌に掲載されることはなかった。発行数10分の1以下の増刊号にひっそりとその作品はあった。

一読して感嘆。この才能は瞬く間に世に知られると思った。しかしそうはなっていない。同じ出版社で連載はおろか、読み切りさえ、以降一度も掲載されなかったのだから。もう10数年前の話だ。

連載に耐える作品が出来上がらなかったのか、編集との折り合いが悪かったのか、その読み切り乾坤一擲だったのか、私には何もわからない。

私は時折くたびれたその増刊号を手にとる。何度も読んだ漫画に今回も感動を受ける。そしていつものように「もったいない…」と思うのだ。その作品名前ほとんど知られぬまま、今も新人賞受賞作品一覧に記述が残っているだけだ。

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