2016-06-24

奉行の心得

一つ、肉道とは焼くことと見つけたり

(訳)お肉はちゃんと焼いて食べないとダメだということ。生肉がもてはやされた時代は(保健所的に)終わった。

一つ、手間か味かを選べと問われたなら、自分の手間など微塵も惜しくはない

(訳)美味しいお肉のためには、漬け込む、低温でじっくり、炭火を起こすなど、手間を惜しんではダメだということ。

一つ、ひとつの肉に悟りを開ければ、どんな肉にも精通し多くのことを理解できる

(訳)牛であれ豚であれ鳥であれ一つの肉の火入れがわかると、多くの肉の調理法理解できる。

一つ、肉奉行の心得として最も重要ものは何か?自分の成し遂げたい肉のために、一分一秒、魂を賭してそれに向き合うこと

(訳)お肉を焼いている間は、目を離さないようにしよう。

一つ、肉奉行とは、周りの「腹減った!」の嵐の真っ只中にあろうとも、ひとり立ちすくせる者でなければ価値がない

(訳)どんなにお腹空いたと言われても、美味しい肉のためには客も待ってもらおう。

一つ、何の準備もなく突然の焔に肉が曝されたとしても、慌てふためいたり、逃げ隠れるようなことがあってはならない。立ち上がる炎に心を乱さず、それを受け入れ肉を逃せ。

(訳)焼肉してて火があがったら、肉に火が当たらないようにしよう。

民明書房刊 肉戸稲造著『肉奉行の心得』より

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