2011-02-02

手塚治虫の書き起こし

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ブラック・ジャック』が終わったわけ

 まず、『ブラック・ジャック』をやめて、なぜ、『ドンドラキュラ』を始めたのか、そこいらへんのいきさつから申し上げましょう。

 『ブラック・ジャック』は、ほんとうは、もうすこし続けても良かったのですしかし、多くの読者からマンネリだ、やめてしまえ、というお叱りをいただいて、ファイトを失ってしまったわけです

 それと、あまりにも制限や制約の多さに、描きようがなくなったこともあります

 いつぞやのロボトミーの事件は、明らかにミスによるものでしたが、その他にも、いろんな団体や組織から、これを描いてはいけない、あれは描いては困る、という抗議がいろいろ来て、しまいには、ブラック・ジャックは、ただのケガをなおす救急医師たいな立場になってしまい、病気ほとんど扱えなくなってしまたかです。抗議はおもに描かれた病気患者さんとか、医者、肉親などからですが、中にはマンガはいえ、でたらめを描かず真実の話を描け、などという抗議もあって、ほんとうに描きづらくなったことはたしかです。(後略)

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