単純に友達と楽しく遊んで過ごせればいいと思い、ろくに宿題も試験勉強もしていなかった。
高校は県内で最低ランクの公立高校。
それでも私はずっと本や漫画を読んで過ごしていければよかった。
しかし、たまたま卒業間近にネットにはまって興味を持ったら、運よくネット周りの仕事に就くことができた。
死ぬほど好きだった人に捨てられて地獄のような日々もあったが、ローンでスクールに何校も通うことで気を紛らわせ、スキルを身に付け、給料を上げた。
学歴から考えたら、この年で今の給料は、かなりもらってる方だと思う。
今まで、誰からも誉められることなんてなかった。
私を採用してくれた人はとても厳しく、誤字脱字を一切許さない人だった。
資料の思考パターンや文章、論理的矛盾などは絶対に見逃さない。
毎回毎回ダメ出しされた。
しかし、去年末に退職され、私自身も異動になり、会社にいる意味を失いかけた。
今、病気で休職になり、今の会社にいる意味を考えさせられて、ようやく気付いた。
その人が父親のように私を支えてくれていたから、この会社で頑張ってこれたのだということに。
父親に誉められることのない子供時代だったせいか、自己主張ばかり得意になってしまった。
実は、誰かに誉められさえすれば、生きていけるのだ。
彼がもう愛してくれないことも、自分よりスキルの低い女の子が評価される会社だとしても、頑張れる。
それに気付くことができて、私の精神は、まだまだ大丈夫だと思った。
きっと今夜ぐっすり眠って明日の朝に目が覚めたら、また楽しい一日が待っている。
だから絶対に負けない。
どんなに誰かを憎んでも、未来は決して明るくない。
大事なことは、どうやって思考を変えて前向きに現実をとらえられるかどうかだ。