「小ブタ完食おめでとう」
顔は良上(これは悔しいが認めざるを得ない)、元痩せ型(二郎体型へ着々と変遷中)、かのジロリアーヌの命名者の彼が、カネシ醤油の刺激で鼻水ズルズルの私にいたずらっぽく笑いかける。
やだ、メイク崩れちゃう。
今日は4歳年上の彼との初めてのデート。ジロリアンの彼の強い希望で、昼食は二郎に行くことになった。
なんでも、今まで付き合った相手は数いたけれど皆小食で、二郎に連れてくることさえかなわなかったんだとか。二郎を一緒に食べられる彼女っていいよね。という彼のこだわりを叶えるために、ジャンクフードで名高い列で一時間程他愛もないおしゃべり。
「ねぇねぇ、あの黄色い看板にでかでかと書いてある『ニンニク入れますか』って?」
「え?」
「『ニンニク入れますか』って聞かれたら、その四つの中から自分の入れて欲しい物を言うんだよ」
「カラメって何?」
「カネシっていうのは?」
それなりに早く並んだので、私たちの後ろにも続々と人が増えて行く。
自動販売機から出て来たプラスチックの小片を握りしめ、白い湯気の立ちこめる店内で待つ。
ヤサイというのはあの山盛りのやつで・・・「マシマシ」だとあれより多いのね・・・
一昔前までは、女性が店内にいるだけで珍しかったというから、二郎デビューが多少遅かったのは幸運だったかもしれない。
そして運ばれてくる二郎。
話をしている余裕などなく、とりあえず麺が伸びないように頑張って口に運ぶ。
野菜が多い。チャーシュー、もとい豚が多い。麺まであとちょっと、あとちょっと。
麺が黒い。なにこれ。
味はどうかな・・・
うん、まぁまぁ。
彼に少し遅れて完食することができたが、とてもお腹が痛い。ちょっと無理しすぎたかな。
「あの麺が私で、スープが・・・」
「俺?」
「うん、そんな感じがする」
「どこらへんが?」
「んとねぇ、黒く染められちゃうの」
思わせぶりな視線が絡まる。
ここから先は、みなさんのご想像におまかせということで。
彼ほどひどい事は書けません、念のため。
一部で大流行中のラーメンに似た創作料理・二郎に魅了された人々をジロリアンと呼ぶが、二郎に魅了された女性たちのことを仮にジロリアーヌと呼ぶことにしよう。 昨日池袋二郎へ行...
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「二郎食べたから、今度はお前を食べよっか」 池袋はやたらとリーズナブルなホテルが多いので、泊まっても5000~6000円なので財布にやさしい。二郎の近くにも多いから歩かなくていい...
とりあえず顔に自信があるなら顔を見せてもらおうか。 顔うp!
僕の彼女がまさにジロリアーヌだ。 つきあい始めの頃、豚骨ラーメンが好きだということなので、 「口に合わないかも知れないけど」と強く念を押した上で二郎に連れて行った。 僕は当...