IBMの今回のリストラについて、サブプライム危機と結びつけて誤解している人が多い。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20081220
そうではなくて、単に日本IBMの業績が悪かったから日本でリストラをやっているだけ。その証拠にアメリカ本体では日本でやっているようなリストラはやっていない、少なくとも今は。もちろん日本IBMにとってトヨタもSONYも専任事業部があるくらい大きな客ではあるけど、影響が出るのが客より早いっていうのはあり得ないし、全体のポートフォリオからすると売上の下がり方は日本でのサブプライム危機の影響全体と歩調が同じになるはず。だって外資企業はその定義上日本国内の客しか相手にしていないから。そういう意味でグローバル企業だから影響が大きいというリンク先の言い方はIBMに関しては的外れ。
あ、彼女の物の見方は自体は正しいと思います。
あと、組合のサイトが話題になっていたけど、単にはてブとかの仕組みで注目されやすくなっただけだと思う。だって、今回のリストラの条件は92年頃に次ぐくらい割増金がいいし、2002-3頃の指名解雇に近いリストラのほうがよっぽどひどかったと思う。今回は結構喜んでやめている人が多いらしい。
IBM自体について言わせてもらうと、今日本にいる外資では立派なほうではある。それなりに文化もあるし(私はそれにまつわる社内政治が嫌いでやめた)。日本のポジションはかなり下がったとは言え、銀行や航空会社のシステムは世界レベルで一目置かれている(と思う)。ただ、その文化が世間的に通用しなくなっていることに気が付いておらず、自己満足になっている人が多い(特に経営層)のが外から見ていて痛い。ここらへんは語ると止まらないので、また書きたくなったら書く。
ちなみにもう一個の外資コンピュータ会社は、儲かっているにもかかわらずUSで合併したせいで、全然ポートフォリオの違う日本でもそれに乗じてとんでもないリストラをやっている情けない会社らしい。IBMより殺伐としているらしいけど、IBMから移動した友人によると「会社なんてそんなもんじゃない」とたくましい。
事実誤認とかあったら教えて。