【第一回】
http://anond.hatelabo.jp/20080630211408
につづく。
匿名希望の鈴木ポン太。第一回は「北斗神拳と金検」だったが、二回目は「日銀考査」である。
銀行には金融庁検査に加えて、中央銀行による日本銀行考査というものも受ける。金検と同様、銀行としての経営の健全性をヒアリングすることが目的だ。近年、日銀もシステム考査には重きを置いている。
銀行間の為替処理(振込み、送金)は全国銀行協会が運営する全銀センタ・システムで中継され、決済が成立している。また、各銀行の資金勘定は日銀ネットで接続され、銀行間の決済も日々、帳尻があうよう金融界全体で整合性をとっている。
ある銀行で決済システムに大きな瑕疵があり、代替手段を講ずることができなければ、それは、最早、一行だけの問題だけでなく、接続されている金融システムへと問題が拡大するリスクとなる。そのため、予防的な活動として、日銀も各行システムの適正な運用状況について、ヒアリングを行っている。
災害やおおきなシステム障害が起きた場合に、代替となる手段を明確に準備しているかという点についても、確認される。トラブルが発生しても、銀行間決済システムに穴をあけないよう未然に措置がなされているかが重要なのだ。この、各行で定められている措置、手続きのことを「コンティジェンシー・プラン」という。
金融庁も日本銀行もホームページで検査、考査のガイドラインや年度ごとの指針などを公表している。システム関連の情報公開も増えてきている。多くはPDFファイルの形式でダウンロードが可能だ。俺らのように、システム監査を行っている者にも参考になることが多いので、必ず目を通している。自分のパソコンに入れて、参考書的に使ってもいる。
システム監査やシステム評価といった分野の書籍は版数が限られるのか、やたらと値段が高い。4,800円とか6,800円とかだ。また、時代の動向、法律等の改正によって、内容も変るものだから、行政庁や中央銀行の公開資料はありがたい。
あまり、いないとは思うがシステム監査の道を目指している苦学生の方がいたら、参考資料とすといいと思う。官庁の文書独特の硬い文章だけど、この仕事には必要な文体である。読んで慣れて、自分でも書けるようにするといい。
http://www.fsa.go.jp/common/conference/index.html
を読んでいると、ときどき大臣や長官がおやじギャグをとばしているのがそのまま記録されていることもある。
(つづく)
「小説」など、大上段に構えてみたけれど、ドキュメンタリー・タッチなフィクション・エッセイを連載する。 俺の名は鈴木本太。すずきポンタ、もちろん仮名だ。これから出てくる...
つづきが気になる終わり方にしたほうがブクマされやすいと思う