2008-04-23

トンデモ」を批判する記事を書く皆さんにお願い。

『結論を最初に』

まず、タイトルと本文冒頭それぞれに、結論をはっきり、書いてください。

 

今、お願いしたいことはただこの一点だけです。読解が苦手な人にはっきりと内容を伝えるために意識してみて欲しいという要望です。

何よりまず最初に、記事の趣旨を明確に示してから内容に入ってください。できれば、強調表記を活用したり、一行あけるなどして、できるだけ目立つようにしてくださると助かります。さらに、読点で大事なフレーズを浮かび上がらせて頂ければ、言うことなしです。

これまで身の回りで、いろんな方の記事を紹介させていただいているのですが、驚くほど連敗中です。皆さんの記事の思惑とは全く逆に、引用されているトンデモの内容に感心して引き込まれ、皮肉なことに問題のある部分が記憶に刷り込まれてしまっています。もちろん後から解説を入れていますが、もはやそれも聞き流されてしまいます。なぜなら、先に読んだ文章(引用元)が流し読みでも分かるくらい(主張が)汲み取り易い余りに、後に続く批判部分が堅苦しく見えて、読み辛さが際立ってしまうからです。理解の前に、拒絶反応を引き起こすのです。そして意味不明なままに、つまらないから興味が湧かないのです。

「批判、堅苦しい文章」=「意味不明」=「つまんない」

間違っていると否定されることは、それだけでは答えを与えてくれません。なので、批判的な内容を受け付けない感情を抱くのも当然で、何より自分が不安な気持ちになるくらいならば、分り易い方におもねるのです。

「つまんない」=「不安」

ですから、可能であれば、批判や誤りの指摘に加えて、安心感を与えるようなプラスαがあるだけでも、随分印象が変わります。

拙いですが、例えば水伝

「美しい結晶」という基準が曖昧だ。だからこれはナンセンス

というのではなく、

「美しい」って単純に言うけれどね、「美しいと思う形」を描かせたとき、皆が皆、まるで印刷したように幾何学的模様しか描かないのと、本当に一人一人が自由に様々な形を描いているのと、どちらが美しいと感じられるだろう?

というような導きのあるものが理想だろうと考えます。

「ここがおかしい」→「引用」→「解説」

最初に問題点を簡潔に指摘してから、引用を始めてください。

引用元の内容(批判する対象)を先に置かないようにしてください。問題点の指摘や結論を後ろに持っていかないでください。その記事で取り上げているようなトンデモ理論を信じてしまう人というのは、決して記事を最後まで読みません。タイトルも理解しません。そもそも文章を読解していません。文脈などまるっきり無視で、目に入る単語の中から自分が直感的に理解できる語句のみ拾っています。画数の多い漢字連続はそれだけで流されます、数字の羅列も3桁以上になると見えなくなります。語感の良い言葉だけが頭に残り、さらに、それを自分にとって心地良くなるように組み替えて脳内に記録します。

はっきりと言う

婉曲な表現や皮肉、文末の省略などを避けてください。

  • 「この○○は間違っています」
  • 「このような話を信じることは危険です」
  • 「このような話に騙されるのは愚かなことです」

ここまではっきり書かないと、通じないのです。

  • 「まだ○○なんて信じてるの?」
  • 「××が○○だなんて……」
  • 「△△がまた○○と言っているんだが。」

このような表現は無視されやすくなります。

否定的なものを受け入れられないのは、言い換えると、悪い意味でのポジティブ思考です。「否定されていない」=「肯定」という発想です。安心を欲している人に、婉曲な言い回し、持って回った表現はほぼ通じません。何度も同じことを書かれている間に、恐らく無意識だろうと思われるのですが、いつの間にか遠回しな表現が表れます。

「遠回しな言い方をしない」でなく「はっきりと言う」

このくらい直接的な表現を意識してくださって、やっと、丁度良い塩梅です。

リスト化する、箇条書きでまとめる

ライフハック的な記事が受けているように、

 「こういう理由で、ここがおかしい」→「引用元」

といった形でリスト化されていると、活用のチャンスが増えて大変ありがたいです。

箇条書きで要旨をまとめてくださるのでも十分です。しかし、本編抜きにリストや箇条書きを読ませるだけでは、これも正しく読まれません。簡潔にまとめられたものは

「素っ気無い」=「優しくない」=「易しくない」=「つまんない」

なのです。ですので、二度手間でも、敢えてもう一度記事の最後にまとめをおいてくださると効果的なようです。ただし、この箇条書きの中でも、主題がトップにくるようにアレンジをお願いします。

 

<まとめ>

トンデモ」を批判する記事を書く皆さんにお願い。

『結論を最初に』

タイトルと本文冒頭に、結論をはっきり、書いてください。

他、 

  • 最初に問題点を簡潔に指摘してから、引用を始めてください。
  • 批判や誤りの指摘で終わらずに、そこからもたらされる安心な状況も提示する。
  • 「遠回しな言い方をしない」でなく「はっきりと言う」
  • リスト化する、箇条書きでまとめる

以上です。ちょっと身近なところでのショックな「理解の溝」体験から、このようなことを考えさせられてしまいました。ここまでお付き合い下さいました皆さんに御礼申し上げます。

追記(4/24 AM 8:30) レスポンスをくださった方へのお礼

添削してくださった方、レスポンス下さった皆様、有り難うございました。

ご指摘の点やご意見はどれも、尤もなことと頷けるものばかりで、大変参考になります。

ここに書いたのは、私自身、この内容に不完全さや危うさを感じていたためで、このような形で人目に晒すことで、見落としている点を洗い出したいとの思いからでした。ここで得られたものを、実践の場へ還元できるように、より理想に近い例が作れるように努力してまいります。

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