「クリスマスに人妻とゲームする若い男を探しているんだが」という話が先輩(♂)から来た時、ぜーーーっっったい釣りだと思った。先輩め、何か企んでいるに違いない。
そう思ったけど、ついその、なんだ、いやらしい想像に打ち勝つことがでぎす、ノコノコと出かけて行ってしまった訳さ。やっぱり年上っていいよね!
ところが、待ち合わせの駅に行ったら先に先輩がいて、人妻らしい姿はなし。「なんで先輩が来るんですか。二人っきりじゃないんですか」って文句言ったら、「バカか。誰が人妻さんにお前を紹介するんだ」とバカ扱いされた。
しょうがないのでそのまま先輩について行ったんだけど、辿り着いたのは先輩の家。
やっぱ騙されてるよオレーって思いながら入ったら、そこにはさらさらロングヘアーのメガネ美人さんが!! びっくり! これが噂の人妻さん!? ホントにいたんだ!! でもなんで先輩の家に!? それって何かとってもヤバイことなんではっ!?
「なななんで先輩が人妻を囲っているんですか!?」って驚いて聞いたら、人妻さん大爆笑。
先輩はニヤつきながら「何イヤラシイ想像してんだよバカ。今日は皆でゲーム遊ぶんだよ。イヤラシくないやつだぞ? あと二人ほど来るからな」
くっそー、やっぱり騙してたな!
一瞬帰ろうかとも思ったけど、人妻さんがにっこり微笑みながら「新しい人がゲームに入ると新鮮で楽しそう」とか言うから、ついつい口元が緩んでしまって。結局ゲームに参加することになってしまった。
でも5人も集まってゲームって何? wiiでもするのかな? “そういう”想像しかしてなかったから全然分からない。
と、ここで、何か印刷された紙とサイコロを渡された。
「TRPGって言う、RPGの一種を遊ぶんですよ。でもゲーム機は使わないから」と優しく説明を始める人妻さん。
どうやら自分専用のキャラクターをそれぞれ作って、そのキャラでモンスターと戦ったりダンジョン潜ったりするゲームらしい。ただ、紙とシャープペンとサイコロしか使わないとか。
あとGMとか言う、モンスターとか街の人を動かす雑用係みたいな人が一人必要らしい。
まあ良く分からない人はググッて。
「ところで、なんでクリスマスに集まってゲームなんかしてるんですか?」
「Sさん(人妻さんのこと)はTRPGが好きで、オレともTRPGつながりで知り合ったんだが…旦那はゲーム全般あまり好きでないらしい。そして二人でいられる時には一緒にいないと不機嫌になる人だから、旦那がいる時にはゲームができないそうだ。逆に、旦那が仕事で、俺達が休みに入った今日が、ゲームを遊ぶチャンスと言う訳だ」
「平日とは言えクリスマスも仕事って、旦那さん少し可哀想ですね」
「奥さんの方は楽しそうだぞ」
それでいいのか人妻!? …いやまあ、オレは年上のメガネ美人さんに会えて嬉しいけど。
そうこうしているうちに、あとの二人が到着。これが仲睦まじいカップルで、ゲーム遊んでいる最中に机の下で手握ってたりしてやがるの。くそ、ゲーム遊ぶのをデートか何かだと考えてやがるんだ。カップルだったら素直に東京タワーでも行ってろよ!
自分に彼女いないことを思い知らされて、すげぇ虚しい気分になってしまい。それを先輩に言ったら、
「当然だ。この場にいる非モテをオレ一人にしないために、お前を呼んだんだ」
あんた酷いよー!
まあでも、初めて遊んだTRPGというゲームそのものは楽しかった。
人妻さんが楽しそうにザコ敵いびっていたり。
「井戸の水が枯れて困っているんです」とか泣きついてきた町の人を、「自助努力が足りないのよ!」と人妻さんがあっさり突き放したり。
「ダイナマイト帝国の使者」とか言う偉そうなおっさんを、人妻さんのキャラがあっさり刺し殺したり。
敵に留めを刺そうとしたら、「その敵は私が攻撃してたのーっ。邪魔しないで!」と人妻さんのキャラにオレのキャラが攻撃されて、瀕死になったり。
…えーと人妻さん、多分何か間違っているよね? ね?
ちなみにゲームが終った後、人妻さんは「ダンナから早く帰れるってメールが??」と言って、さっさと帰ってしまった。
ちょっとは甘く妄想していた、その先の進展とか全くなし。
…なんか、良い様に利用されただけじゃねーの、オレ?
(ごめん、ちょっと長かった)
人妻ってなんなんだろうな。普通はそういう期待を抱かせないために、可能性は無いとはっきりさせるために言うんじゃないかと思うんだが。。。。その先輩の最初の言い方が良くなかっ...
自分もTRPG好きなので、遊びたいのだが、プレイするにいたる条件が中々そろわないので大変。 大学時代の友達に声かけて、サークルとかに呼んでもらえればいいんだろうけど、そうい...