2006-12-06

ぶんけいすちゅーでんと

A「オシ!今日も飲むぞ!!」

B「まじで!?昨日も飲んだじゃん?しかも再提出のレポあるし、明日締め切りの実験レポートあるじゃん。流石にきつくない??」

A「何とかなるって!今日は飲まないと!!」

B「何でそんな飲みたいのさ?」

A「今日はCの誕生日なんだよ?知らなかったん?」

B「あ、知らなかった…。」

A「そっか。まあ俺も今日知った身なんだけどさ(笑)。あいつも最近色々あって落ち込んでるみたいだしさ。ここらで一発飲んで元気付けようかなと。どうよ??」

B「……わかったわ。Aがそこまで言うなら仕方がないな。だけど、単位落としたら一生Aの事恨むからな!(笑)」

A「それは勘弁!!じゃあちょっと他にもアポとってくるわ。ちょっと待ってな。」

そういってAは携帯電話を片手に大学の食堂から出た。Aはとてもいい奴だ。学科の中でも一番人気がある男だと思う。男からも、女からもだ。誰かの誕生日、誰かが振られた、誰かが退学しそう…誰かが何かあって困っている時、彼は必ずそこにいて、何か手助けしてくれる。ただ、手助けといっても必ずしも何かするわけではない。心理的な何かといったらいいのだろうか。彼はそういった心理的なサポートうまい奴なんだと思う。流石、将来の臨床心理士候補。

数十分後。

A「おー!待たせたな。無事人数揃ったわ。」

B「何人?」

A「15人かな。」

B「当日募集にしては凄いね。」

A「ははは。これも俺の人徳なのかな(笑)。」

B「調子に乗るやな。おっさんが(笑)。」

Aは学内で一番年をとっている。詳しくは知らないけれど、大検取得して大学へ入学したらしい。そのせいか、飲みの場で高校時代の話になったりすると、とても羨ましそうな顔をする。「俺もそういう青春味わいたかった」と。…何があったかは知らないけど。

時間は進んで、飲みの席へ。

A「えー…この度はみなさんお忙しい中お集まり頂いて真にありがとうございます。えー…今日はC君の誕生日並びに、連続失恋回数を更新したとのことで、えー…大変喜ばしいことでございます(笑)。」

爆笑する聴衆達。ちょっと苦虫をつぶした顔をしているC。

A「…えーそれではCから一言。」

C「えーと今の心境としてはうれしいような悲しいような気分といったところでしょうか。もう、どうでもよくなってきたので、今日は飲まさせて頂きます!!それでは、みなさん、Y美さんにかんぱーい!!」

一同、爆笑しながら乾杯。Y美はCが好きだった女性のことだ。とても仲が良かったので、誰もが付き合うだろうなと思っていたんだけども、結果はうまくいかない方へ。恋愛って難しいんだなと改めて感じさせてくれる事象でもある。

Cの誕生日失恋飲みは大いに盛り上がった。Y美コールなるものまで作られたし。そんなこんなで1次、2次会と飲み会は進行し、最後は数名だけが残った。時間でいうと何時だろうか。多分、朝と表現した方が的確なんだろう。最近こういう飲みが多い。前からもあったことではあるけれど、頻度で比較したら、圧倒的に最近の方が多い。何故だろうか。

始発の電車に乗って帰る僕ら。

Aがつぶやく。「なにやってるんだろうな…俺達。もう卒業間近なのに。」

C「ははは、俺、就職決まってないわ(笑)。」

D「俺は決まってるけど、ブラックだしな…。」

F「親がなぁ…。決まってないって話すのがさ…。」

A「人生って何なんだろうな。。」

凍りついたような風景。夢とか未来とか、僕らにないのだろうか。

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