はてなキーワード: チャンポンとは
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Aさんの実家を訪れた2週間後、僕はついに潰れてしまった。
いわゆる引きこもりと似た状況になった。
もう動けない……と思った日とその翌日はアパートから一歩も出なかった。
不思議とAさんの後を追いたいという気持ちにはならなかった。
3日目は夜10時ぐらいまで部屋にいた。
その後、近所のコンビニの店員が女性から夜勤の学生に変わるタイミングを狙って、買い物へ行った。
固形物は受け付けないので、豆腐とヨーグルトと酎ハイを買った。そして睡眠薬とチャンポンで飲んだ。
だが、数十分後に全て吐いてしまった。トイレには赤い血が混じっていた。
6日目にようやく動く気になった。病院へ行って点滴を受けた。
なんとか気力を振り絞ろうと、同人誌の作成に乗り出した。
夏コミあわせの〆切まで2週間を切っていた。
根性で造った本はなんとかよく売れた。
日々の空白を埋めるため「はてなダイアリー」を始めた。
自分の中の暗黒面を出さないようにちょこちょこ書いていたらヒット数も増えた。
仕事場へも戻れた。
でも空虚さは払拭できない。
最初は後悔や自責の念に駆られていたが、半年後には虚無が僕を支配していた。
なにも考えられない日々が続く。
そんな僕は女とのセックスにのめり込んだ。
知っている人は知っているし、知らない人は知らないのだろうが、
日本ではカネさえ出せば女性と性行為あるいは疑似行為を体験することができる。
安ければ5000円(ただし15分)から。増田でも書きにくいことすらした。
その中には見るからに心を病んでいる子もいた。
「やめとけよ。それって、ただ自分を傷つけているだけじゃないの」
別にテクがあるわけでもないし、店の人気嬢ではなかった。
でも、黒い長髪と肉感のある体、穏やかな語り口、垢抜けしない服装、
そして自己主張しない雰囲気が、僕を癒してくれた。
Aさんと同い年だが、あらゆる意味で対極的だった。
過度にハマらないよう、行くのは月に一度と決めた。
彼女が店を辞めることになった。
人気がないし、お金も稼げないし、普通のバイトに変わると言うのだ。
「どうしたの。なんかいつもと違うね」
少し迷って、「えっ、ああ。プライベートでいろいろあってね」と答えた。
そして「君といる時間が楽しかったよ」と付け加えた。
そんな僕を彼女は抱きしめてくれた。
最後に「次の仕事。がんばってね」と言うと、お別れのキスをしてくれた。
彼女がデビュー直後だった二年前、携帯のメアドを教えてくれていた。
僕の家のどこかにそれはある。でも、探すのは止めた。
もうAさんの死から一年半が経っていた。
ようやく長い冬から抜けられそうな気分になってきた。
しかし、一つ不安があった。
葬式の日、僕を抱きしめながら「大丈夫だから」と言ってくれた
Bさんと連絡を取ることにした。
人の顔と名前を覚えるのがどうしても苦手。
自分に起こったこととか、見たこと聞いたこと学んだことの内容とか、記憶力そのものは悪くはないと思う。
でも、どうしても人の顔と名前を覚えるのだけは苦手。
小学校からの学生生活上で接してきた人で、顔とフルネームが一致するのはたぶんトータルでも15人くらい。
先生や先輩後輩なんかはほぼきれいさっぱり忘れてる。
「知ってる人だ」ってのは分かるから会話はできる。ただ名前が思い出せない。
元彼さんたちの顔と名前もぼんやりとしか覚えてない。
友達数人と喋ってるとよくチャンポンになる。
そういう病気もあるみたいだけど、自分の場合は顔と名前以外の記憶力は問題ないからどうなんだろな。
でもこれ書いてたらやっぱ病気のような気がしてきた。
分からないときは正直に言っちゃうから日常生活で困ったことはあんまりないんだけど、
仕事ではそうもいかなくて支障が出てきてる。困ったな。
何かいいトレーニングとか克服法はないかな。