現代人は理解の及ばない出来事を見ると、闇が深い、闇が深い、と口を揃えて言う。
闇が目の前にある。そこに何かが隠れている。
しかし、皆、その正体に光を当てる気はないようである。
自ら調査せず、思索せず、ただ対象を指差し、仲間内で身を寄せ合っている。
二日もすれば忘れている。
時折、賢者あるいは冒険者が、闇について知り得た情報を公開する。
これを見た者たちは、喜び、ざわめき、そして再び言う。「闇が深い」
一隅を照らす人は国宝なり、とはよく言ったものだ。
Permalink | 記事への反応(0) | 11:51
ツイートシェア