喫茶店を出ると雨は上がっていたが、南国のような湿気がこの街を簡易サウナのようにしていた。
道端のあれやこれやが呟いていた。そこの角を左に行って道なりにまっすぐで家の玄関にたどり着けるはずだが、いつもと違って騒がしい。電柱も草もゴミ箱も僕とあの子のウワサで持ちきりだ。みんな親戚のオバサンみたいになっていた。
ゲータレードの自販機だけがいつもどおりゲータレードを売っている。僕は思わず2本買ってしまう。僕の口は一つしかないのに。これが恋ってことなんだろうか。
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