2022-01-24

たぶん忘れてしま

今直面している喪失と、

その喪失感をこれから忘れていくという喪失

今ここにわだかまっている想いはやがて

消化されていく。

溶けてゆく。

形と色を失う。

歯触りもにおいも失う。

つの日か思い出すこともあるだろう。

でもその時頭をよぎるのは一瞬の影で、

輪郭すら掴むことは難しい。

そうなることを、もう経験的に知ってしまっている。

この感情を形に留めようと

こうして紡ぐ言葉

時がたてば、

録音していた独り言みたいに

聞き返すのがどこか気恥ずかしい

自分でない誰かの声のように響くだろう。

それでも書き留め続けている。

喪失の甘美さに酔っている? それもある。

忘れることが耐えられない? それももちろんある。

やはり痛いのは痛いし、辛いのは辛いけど、

この感情輪郭を正確に描写できたなら、

その言葉には何かが宿る気がするのだ。

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