2021-03-11

3.12

あの日の翌日。

3年付き合っていた彼氏デートの予定だった。

前日にあんなことがあって

テレビから流れてくる映像に胸が苦しくなって

さすがにデートキャンセルしようかと思ったけど

無しにしようなんて言ったら

この先一度も会ってくれなくなりそうだから

予定通り会うことにした。

いつも通りラブホに行く。

いつも通りが無くなった人たちが

同じ国にたくさんいるのに。

裸で抱き合って、やることやって、

何気なくつけたテレビから

津波の押し寄せる様子や

瓦礫だらけになった街の景色

暗い声とともに流れていた。

彼氏はただ一言

私の肩を抱きながら

「大変やな」と呟いた。

ああ

何してるんだろうな、私。

そう思うと泣けてきた。

一生忘れない。

3.12

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