■被害は覚えていても、加害は思い出せない
子供の頃の話である
大きな家の2階から「これを拾った人はバカ」と書いた紙をバラまいたことがある
なんでそんな増長しきったいたずらをしたのかは思い出せないが
歪んだ家庭だったか、よほど勘違いしていたと思う
年配の女性が拾うところを見ていた
とても悲しそうに紙を捨てて、肩をこわばらせて歩き出したのが見えた
傷ついたであろう人を目の当たりにして、やっと悪いことをしたことに気づいたのだった
この子供は似たようなことを繰り返して悪いことを学んでいった
そのたびに誰かが傷ついていた
ごめんなさいとしか言いようがない
そして今、加害に憤っているのだから世話がない
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