両親の味の好みは正反対だった。
父がうまいという食べ物は母はきらい。
母が美味しいというものを父はまずいという。
両方いるときに、片方が、私に美味いか聞いてくるが、
片方の正解を言い当てると、当然もう片方には不正解。
父はお前は母の見方なんだなといい、
母は、どうして父に似たのか。。。という。
次第に何がうまいものがわからなくなった。
寿司が好きだ。
魚の複雑で生臭い感じと、酢飯の酸味は他の食べ物では味わえない。
何度も食べたくなる。けど、美味しいかわからない。
酒の旨さもわからない。
でも飲みたくなる。
成人した後は、徐々に人とご飯を食べることに意味があることがわかってきた。
でも美味いのかはわからない。
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