お前には夢があったし、その全てを叶えられずとも何割かは叶ったんじゃないのか、と。
そう思うと時折たまらなく泣きそうになるんだよ。
俺は一体何をやっているんだろうかって。
夢ってのは呪いなんだよ。
そして俺にはまだ夢がある。
叶わなくなった夢が。
その夢を今でも願う無数のあの頃の俺を抱きしめてやるだけでこの手はいっぱいだから、誰かの夢を守ってやれる余裕なんて無いんだ。
呪いを抱えるというのは何も無いことよりも厳しい状態なんだな。
子供の頃テレビゲームで学んだことを、現実で再確認してふと思い出したよ。
呪いに両の手を封じられるぐらいなら、まだ徒手空拳の方がずっといい。
夢なんて見なければよかった。
せめて誰かの夢を守れる余裕だけでもこの手に残すために。