■退廃が欲しい
退廃が欲しい。
深夜テレビを見ながら食べるカップ麺のような退廃が欲しい。
大学生のような退廃が欲しい。
夜ただ集まって飲んで 歯も磨かずに雑魚寝をしても手に入らなかった
退廃が欲しい。
彼氏を作り 実家に帰らず 始終抱き合っても手に入らなかった
退廃が欲しい。
着る物も関係なく、ただ男と女というだけの退廃が欲しい。
大人が嫌なのではない。
自分の全てを受け入れ諦めて、輝きながら仕事をする上司を心底尊敬する。
なのに、捨てきれない憧れ。
どれだけ汚れたと思っても 汚いことをしても
心はどんどん白くなっていく。
何もない白。
誰と付き合っても どれだけ目を伏せても手に入らない。
鏡の中。
退廃こそ夢。
今日も実家に帰る。
タッパーがまだ熱を帯びている
実家に帰る。
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