■最近、街にさるが増えた話。
100日だけ命を与えられた二匹のさるがいた。
一匹は山で、もう一匹は街で過ごすことにした。
山には食べ物がたくさんあった。
さるは朝、鳥のさえずりで目を覚まし、真っ赤な夕焼けに包まれる頃には寝床につき眠った。
100日目で死んだ。
街には食べ物がちょっとだけ。
さるは朝、空腹で目を覚まし、明日の心配をして眠った。
10日目で食べ方を覚えた。
20日目で食べる喜びを知った。
30日目で食べる目的を探した。
40日目で絶望した。
50日目で食べ方を教えた。
60日目で死んだ。
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