猫はいいなあ
おまえが一匹のはぐれ子猫として僕と出会ってから4年がたつが
おまえは母猫のことも父猫のこともきょうだいのこともぜんぶさっぱり忘れて
ただ僕の猫であるばかり
おまえが生きるためにすることといったら
ただ僕の猫であることばかり
しがらみもなく
苦労もなく
ただひたむきに僕の猫でありつづける
僕はおまえに触れるたび新しいおまえの神秘をみつける
おまえの耳の奥のひそかな迷路
おまえの瞳の底のまっくらな奈落
おまえの毛皮のしたのはらわたの奇跡のような整列を想像しながら
僕はおまえをいとおしんで撫でさする
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