その女は、気になった男を落とす段階、それが恋愛のなかでもかなり好きなようなんですがね。それはその女が幼い頃からわかっていたことでもあるのですがね。その女が俺のことを全面的に好きでいてくれた時期には、もしかしたら、その女はそういう女なんじゃないかと、不安で仕方がなかった時期もあったんですがね。やっぱり、心底好きだったんですよ、俺は。だから全て信じた。今でも信じたいとすら思える女なんですよ。
しかしながら、信じるというのと、恒久的に保証された安寧を盲信するというのは、やはり違ったようでして。とは言っても、実のところ、俺が落ちていくにつれ、その女も落ちていったらしいんですが、今となっては昔の話。俺が完全に落ちた後、一定の関係がしばらく続くと、その女は俺に飽きた。
もちろん俺がその女を引き留められなかったのは俺が悪い。そもそも、俺はその女に対して、してやれることを全て出来たわけでもない。全部俺が悪い。
山積した後悔は、もう暗闇を作り出すしかないようで。しかしながら、いつまでも暗闇の中にいるわけにもいかないようなので、そろそろお暇します。
こうでも書かないと、きっぱりと前を向く踏ん切りがつかないんだ。