2010-03-13

文化への処罰を考える|和田秀樹オフィシャルブログテレビで言えないホントの話」

ttp://ameblo.jp/wadahideki/entry-10479759744.html

今回は、非実在青少年法とかいう形で、18歳未満と思われる人物が登場するポルノアニメ、そのほかを取り締まろうという法律についてどう思うかという質問が偶然重なった。

私は、日本警察が誰でもひっかかるような法律(たとえば、18歳や19歳の飲酒を取り締まる法律など)を作っておいて、ほとんどの人は捕まえないのに、気に入らない人間を捕まえる道具にしたり、政治資金規正法にしても、気に入らない人間の虚偽記載だけを捕まえるという前科を考えると、誰のパソコンでも、チクリがあったから、調べさせてもらうという権利警察に与えるのはとても危険だと思う。本来、法律というのは守れる法律だけを作る代わりに、警察のほうも違反者は、警察適当に選んで捕まえるのではなく、全員捕まえるというのが法治国家のあり方だと考えている。

青少年ポルノの類にしても、相当きちんとそれが流れないようにするとか、発信が確認されたら処罰するのは当然だが、単純所持で処罰するなら、誰かのメールアドレスに送りつけて、それを削除していなければいつでも捕まえることが可能になる。日本警察が信用できない、つまり金をもらえるところならば景品交換型賭博を認めるが、気に入らないところがやれば捕まえるという組織である限り、つまり、捕まえるか捕まえないかは警察が判断できる法律危険だと私は考える。民主党に、警察検察改革をやってほしかったし、やる気だったと聞いているが、それをやられるのを知って、先に小沢氏周辺を捕まえて、しかもマスコミまでそれに乗って。おそらくこれからの政治家がよほどのことがない限り、警察改革、検察改革に手を出せないようにしてしまった。三井環という元検事裏金問題をテレビで話そうとした日に逮捕されるのと似たようなにおいを感じるのは確かだ。

さて、もう一つは、ロリータっぽい主人公が出てきて、エッチなことをするアニメ(この場合、実際の児童被害者になるわけではないから、実写のロリータポルノとは違う)を日本特有の文化と見るかどうかだろう。

日本の場合、ほとんどの先進国で解禁されているポルノネットを使う人には有名無実化しているが)を処罰し続けてきた。おかげで、それが暴力団の資金源になるし、解禁したらおそらくはヘアヌードのように飽きられ、暴落していたものを、警察保護育成してきたようなものだが、その副産物として、外国ではあまりないエロ漫画というカテゴリー文化ができた。(自国の文化である浮世絵さえ弾圧する無教養ぶりだから、もちろん露骨な描写は許されないが)

この件については、大人になっても政府が大人扱いしないという点では、まさに「お上」の力の象徴のような気がするが、実際、欧米の国のほとんどは児童ポルノには厳しいが、成人した後については規制しない。

これが文化ならば、きちんと守るべきは守るという対応をすべきだろう(私はアニメ漫画は詳しくないので、そこがわからない)

飲酒運転についても私が問題にするのは、酒を飲みながら食事をするのが文化ならば、1県あたりにすれば年間数人の飲酒死亡事故があっても、酒を酌み交わしながら食事をするという文化を守るべきだろうし(フランスイタリアはこの路線だ)、人の命のほうが文化より大事ならば(おそらく鮭を飲みながら愚痴をこぼす文化がなくなり、家で一人で飲むのが当たり前になれば、飲酒死亡事故の数倍の自殺者と数十倍のアルコール依存症患者が生じるだろうが)飲酒運転を厳罰化すればいい。

文化を守ることは、人の命より大切なときもあるのだ。

韓国日本を恨むことについても、当時の植民地(実際は連邦国家だが)は、欧米スタンダードからすれば、ずいぶん進歩的な支配だった。現地民に日本国選挙権を与え、識字率が1割にも満たない国にハングルを教え、言語も強制せず、日本国と同格のエリートになれる帝国大学も作った。それでも、韓国人朝鮮人日本を嫌うのは、創氏改名が問題だったらしい。要するに、家系図(族譜)が大切な国で名前を変えさせられるのが、それだけ屈辱だったそうだ。文化に敬意を払わなかったために、世界的に見ても先進的な植民地政策をとったのに、かえって恨まれた。

文化をバカにしてはならない。日本人は、人命とか、人権とかいう美名にびびって文化をないがしろにしてはいないか?

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん