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政治家の疑惑というのはありふれたもので、マスコミへの垂れ込みも多い。私も検察に情報を提供して、捜査が行なわれたこともあります。しかしほとんどの場合、物的証拠があがっても立件は見送られてしまいます。日本の刑法では贈収賄の要件がきびしく、特に職務権限がないと金銭授受や利益誘導の証拠があっても犯罪にならないため、閣僚以外の政治家を起訴することは不可能に近いのです。今回の小沢氏の事件も、かりにゼネコンの献金が立証されても政治資金規正法違反と脱税にしか問えないでしょう。
したがって捜査の歩留まりも、100件の情報のうち1件も起訴できないベンチャー投資みたいなものなので、たまたま証拠のそろった1件についてはあらゆる情報操作を行なって「一罰百戒」をねらう。現に日本の裁判では、検察に起訴されると99.9%は有罪になり、起訴までの段階で実質的に検察によって裁判が行なわれるのが実態です。