2009-05-31

ネットによりレベルが格段に上がった

18禁小説というものは、昔からあった。

俺は、父親が本棚の奥に隠していた18禁小説で、性の知識を得た。それを読むまで、正直なところセックス意味が判らなかった。

というワケで、俺は40年ほど前の18禁小説から、つい最近までの18禁小説まで、かなりの範囲の18禁小説を読んでいる。

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18禁小説存在特筆すべきは、フランス書院ナポレオン文庫だろう。

それまでおたく18禁小説を手に入れる手段は、主にコミケだった。アニメキャラが犯される小説コミケでのみ売っていた。そういう時期がかつてあった。

その、おたくとはかけ離れた存在だった18禁小説の分野に、ライトノベルを取り入れたのがナポレオン文庫だ。

試みは面白かった。

現代オカルトファンタジーSFなどなど、その当時のオタクが大好きな分野の18禁小説だ。

その当時、ライトノベル大家が小金を稼ぐ為に別名でナポレオン文庫執筆していた事が明らかになったりした。

しかしその実態は、編集のやる気が全く無く、作家の熱意だけで動いていたような感じだった。人気はあったものの、ナポレオン文庫中途半端な終わり方をしてしまう。

# この辺りの詳しい話は、雑波業がどこかのインタビューで記事にしていたはずだし、実は俺もナポレオン文庫に投稿してたので、編集の酷さは実際に会って感じた事である

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それ以来、おたくエロ小説を読むようになった。

しかし、実のところ、ライトノベルにも延滞期があったように、18禁小説も、しばらく「ずーっと同じようなものばかり」が書かれる時期があった。

何しろ存在アンダーグラウンド的なものなので、表立った批評なんぞされないし、前述の通り、作家を成長させるべき編集もやる気が無い。

なので、実際のところ、ライトノベル的手法だけが進化していった。

やれSFの巧妙さだの、設定の緻密さだの、キャラの魅力だの、18禁小説としては本筋ではない部分ばかりが成長していったのだ。

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今、おたく向けの18禁小説といえば「二次元ドリーム文庫」が代表だが、それも今までの話の延長上の路線を歩んでいる。

ただし「主人公が必ず格闘技術を身につけた少女であり、ものすごい乱交レイプされた挙句、最後には必ず大逆転して笑顔で終了」というものすごい縛りがあるのだが……(それゆえ「二次元ドリームエンド」なる言葉が生まれるほどだ)

# 更に最近二次元ドリームコミックという漫画版も出始めた。1話読みきり漫画単行本1冊(8話ぐらい)まるまるそのパターンが繰り返されるというのは凄いものだ

二次元ドリームマガジンを読んでも、エロ描写に限って言えば「取って付けたようなもの」なのだ。実の所、ナポレオン文庫の頃と全く同じ。

表現自体が当時と同じなのだ。まぁ18禁小説をそこまで長々と読み続けている俺みたいなのがおかしいとは思うのだが、古臭く感じている。

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そして俺は、インターネット掲示板……具体的に言うと、2chのネトラレスレで、衝撃を受ける事になる。

今まで読んだ18禁小説が全くお話にならないぐらい、高度なエロ描写の連続ストーリーラインも見事だし、キャラの魅力も素晴らしく、また、感情移入しやすさも抜群にいい。

そう、インターネット。毎日のようにエロ小説が投稿される場所。その技術日進月歩

それも2chともなると、批評の目は世界一厳しいものだ。

いつからその文化があるのかは知らないが、俺が知った頃には、既に「出版されている18禁小説が足元にも及ばない」作品群の数々が、多数まとめられていた。

設定もオリジナルモノが多い。エロパロもある。

オタクが食いつかないはずがない。

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俺は衝撃を受けた。

俺が10年以上追い続けてきた18禁小説は、あっという間に時代遅れになってしまったのだ。

何度も読んできたお気に入りの本が、あっという間に陳腐化した。読み直すと「これはひどい」としか言えない。

更に言えば、何故か商業は取り残され、無料であるはずのネットの方が良質の18禁小説を生み出している。わざわざ金を払うのは、ネット18禁小説存在を知らないだけではないだろうか。

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この進歩は、本当にすごい。停滞していた18禁小説世界が、一気に飛躍した。

今も進歩し続けている。

今まで飛躍しなかったのは何故なんだろうか。何故、古臭いままここまで来てしまったのだろうか。

そのうち、ネット18禁小説を読んだ人が、エロ小説家を目指して頑張り、今のネットレベル商業が追いつく日が来るだろう。その時こそ、日本18禁小説はやっと進歩するのだと思う。

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