現状、この業界は上流工程を担当する大手・優良企業(NTTデータ、富士通…等)と、下流を担当する有象無象の中小企業および規模だけは大きな独立系企業とに大分(一部例外あり)され、一般に上流の方が難しい業務、下流は比較的簡単な業務とされている。
確かに、下流の業務は簡単だ。仕様を満たすアルゴリズムの実装を、規約に従った書式によって行えば良いだけだ。基本的には、薄っぺらい参考書一冊で事足りる知識しか必要としていない。
けれど、僕らは知っているはずだ。プログラミングというものがもっと遥かに深い味のあるものだということを。極めるのがどれだけ困難なことかを。
基本情報レベルのJavaが読め・書ける程度でプログラミングを簡単だと思うならEffective Javaを読んでみればいい。牧歌的に思えた野原にどれだけ地雷が埋まっているか理解するはずだ。C++のクラスが書けポインタが使える程度でプログラミングを簡単だと思うならModern C++を読んでみればいい。登っている山はまだまだ高く険しいと知るだろう。
こうした使われざる技術は、本来、下流の仕事をより素晴らしいものとするはずのものだ。しかし、使われない。
これは上流の陰謀なのではないだろうか。上流としては、下流の仕事が高度になるのはあまり歓迎すべき事態ではない。それは上流の優位を奪うか、上流の仕事をより困難にするかのいずれかとして働くだろう。上流からすれば、下流は上流の理解できる、簡単な範囲でのみ活動してほしいのではないか。
もしこの考えが正しいのなら、下流の仕事が簡単だといって蔑んではいけないのだろう。本来、高貴なものになるべき下流を貶めているのは上流かもしれないのだから。僕らは負い目や憐憫をこそ感じるにせよ、軽視、蔑視するのは間違っているのではないだろうか。
……上流の仕事に傾倒しPGを軽視する同期を見て、言い知れぬ不満のようなものを感じ、数日間その思いがわだかまっていたのが、やっとすっきりした。
私も、子供の頃はプログラマーになることを夢見ていた。 でも、私が夢見ていた、世界を変えるようなプログラマーっていうのは一握りしかいなくて、しかもそれはいわゆる「大手IT企...
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