2008-11-13

間違って女性専用車両に乗ってしまいました

先日、誤って女性専用車両に乗車してしました。久しぶりに怖かったです。

問題は私がその車両に乗り込む時に、女性専用車両と気付かなかったことで、少なくとも周囲の人は私が乗車した時から気付いていたようです。

風邪のためボーッとしていて、妙に女性が多いなとは思いましたが、気付いた瞬間に驚きました。

まず女性専用車両がどの車両かということが、いつも乗る電車なのに完全に、頭から消えてしまっていました。私以外男性はいませんでしたが、高熱を押し通勤していたのと車内が混雑していたため、クラクラする頭の中は早く到着しないかという思いで一杯でした。もう40代のサラリーマンですので、体力的にも余裕がなく、明らかに病人の私に誰か席を譲ってくれないかと思っていました。

ボーッとしている間に電車は出発しましたが、すぐに頭がガンガン痛みだし、周りの音もグワングワンとしてきて、このまま意識を失うのではと思いました。私は最後尾の車両の一番端のドアに近いところに立っていて、周りの若い女性達に、病人である私に席を譲るべきだろうと内心腹が立つ思いでした。

ですが、譲るべき、と心の中で断定した後で(妊婦の方だったら? いや、それ以前に自分が逆の立場だったら?)と気になりました。通勤時の混雑した電車です。いつもの私だって出来ることなら座っていたいと思うでしょう。自分が座っている側だとしたら、見て見ぬふりをしたかも知れません。また、席を譲る気恥ずかしさもあるものです。

そういえば、先月見かけた老人に席を譲っていた男性もそうでしたが、病人や老人がいると知ると駅に電車が着いた時に、さりげなく乗り換えるふりをして席を譲ってくれる方もいるので、期待していました。ですが電車は二駅を過ぎても席は空かず、それどころか、周りの人はこちらをチラチラ見るだけで、席を譲る素振りも見せてくれませんでした。そのため私は席が空いたらすぐに座れるように、車両の中程まで移動しました。

それからしばらくの間、しきりにアナウンスが何かを言っていたのは覚えています。その路線で通勤するようになって一年半、はじめてのことです。何かあったのかとも思いましたが周りは騒いでいないようなので、きっと大したことではないだろうと思い、ボーッとしたまま立ち続けていました。やがて駅に着いたので、邪魔にならぬよう一度降りるか迷いましたが、この位置なら大丈夫だろうと思い動くのも億劫だったので立っていたら、肩を軽く叩かれました。

女性専用車両ですよ」と告げられた時には、最初何を言われたのか理解出来ず、頷くことしか出来ませんでした。てっきり降りるのに邪魔だからどいて下さいと言われるのかと思ったら、予想外のことを告げられたのです。慌てて正面を見ると、確かに通勤時間はこの車両女性専用車両になる旨が貼られていました。恥ずかしさで顔から火が出る気持ちでいると、そこに駅員さんが二人駆けつけていました。

女性専用車両です」痴漢と間違われたのでしょうか。必死な様子で駅員さんがそう告げてきました。慌てて私は降車したのですが、恥ずかさを誤魔化す為つい「先に言えよ」と横柄に駅員さんに向かって言ってしまい、そのまま歩いて行ってしまいました。先ほど車内で、肩を叩いて教えてくれた女性お礼を言う前に立ち去ってしまったので、間違えて乗り続けた恥ずかしい奴と思われたか、あるいは痴漢と誤解されたままかはわかりません。

私はもっと素直に謝るべきだったなと思いましたが、例えば「気付きませんでした。すみません」という言い分が通るとも思えず、つい照れ隠しで横柄な態度を取って足早に去ったことを後悔しつつもどうすれば良かったのかわかりませんでした。痴漢えん罪の話なども聞いていたので、その後は恥ずかしさが恐ろしさに変わり会社に到着した後も緊張状態ではあったのですが。

でもなぜ車両を間違えただけでこんなに怖いのかと考えてみたんですが、恐らく、

  • 周りに女性が多く、もし誰かが痴漢されたと被害を訴えたら、微動だにせずそこに立っていただけでも信じて貰えなかったであろうこと
  • 恐らく風邪を引いていたせいだろうが、周りに女性が大勢いる状況を異常とも思えず、自分が正常な判断力を失ってしまうこともあり、些細なことで身の破滅を招くのではという可能性
  • 二駅以上乗車していても誰も注意してくれず、いざ注意して貰った時には駅員まで呼ばれていて、大事になってしまっていた

このあたりが原因じゃないでしょうか。

女性専用車両のお陰で、痴漢えん罪を恐れる私のようなおじさんは安心して電車通勤出来るようになったはずなのに、逆に誤って女性専用車両に乗ってしまった時はどんな言い訳も通用しなくなってしまうとか、女性専用車両に限らず一般車両でも悪意を持った女性に囲まれた時点でえん罪の証明は不可能になるとか、ちょっと注意してくれれば済むのに注意された時は駅員が来る時ということは、今回はたまたま助かっただけであのまま駅長室に連れて行かれたなんてこともあり得たとか、考えすぎるほど考えてしまいました。

無論間違えたこちらに非はあると思いますし、同車した女性達にも不快な思いをさせてしまったと思っています。あっさり終わったから笑い話で済むものの、後味が悪く当日中思い出しては顔を赤くしていました。その後は上記のようなことを考えて、むしろ恐ろしくすらなりました。

理由が思いつかなくて困りましたが、「わざとやったんだろう」と過失の行為を咎められたときに似ている感じです。わざとじゃないのに、それを証明できないあの感じ。

長々と失礼しました。

最後に、肩を叩いて教えてくれた女性には、本当に感謝しています。きっと、声をかけるのは相当な勇気が要ったでしょうに、声をかけて頂き、大変感謝しております。

お礼も言えずに去ってしまって、本当に失礼なことをしたなと思っています。

出来れば、これからも、私のように車両を間違えて乗ってしまう馬鹿者に、暖かく声をかけ続けて頂きたいと思います。

http://anond.hatelabo.jp/20081108204813

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