2024-02-05

ケラチン戦記

昨日は負け戦だった。

人間50も近くなると、新しいビニール袋が引っ付いているのを指ではがせない。

うおおおって擦ってもただ滑るだけ。指紋の凹凸も意味をなさない。

そう。ケラチンが分泌されてねえ。

そんな人向けに、スーパーには置いてあるよな。

指に水をつけるスポンジ。

でもなぁ、あれ。俺は知ってるんだ。

ジジイババア普段の癖で指を舐めた後、何故かスポンジに指を突っ込みやがる。

指を舐めたならその唾を使えよ!って突っ込みたいが、俺も近々通る道だ。

スポンジはジジイババアの唾液入りってわけだ。

じゃあお前も指をペロッと舐めればいいじゃねえかって思ったよな?

まだあと10年早ぇ。今やったら負けなんだよ。

だが、ジジイババアの唾液入りスポンジに指を突っ込むのも負けだ。

昨日はどうしようもなくて、後ろに並んでいる人の視線にも負け、つっこんださ。スポンジによ。

むけたね。きれいに。ビニール袋が。ちくしょう

俺の人生こんなもんだ。負けてばかり。

でもなぁ、今日すげえかっこいい同年代戦士を見たんだ。

そいつ最初ビニールが滑ってたんだけど、さり気なくスゴイ技を決めやがった。

どうしたと思う?

そいつ、油っぽい鼻を親指と人差指で、本当にさり気なく「ちょっと気になったので触りました」

みたいな顔をして触りやがった。

その後、むけたね。つるんと。

かっいいぜおまえ。ちくしょう

俺も真似したさ。

むけたね。きれいに。ビニールが。ちくしょう

だが今日の俺は良いものをみた。

引き分けくらいの日だったということにしてやってもいい。

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