2022-11-11

階段片足ずつでなく両足一段ずつ乗せて 名古屋市条例制定へ

 階段事故を防ぐため、名古屋市利用者に対し、片足ずつでなく両足を一段ずつ乗せて上り降りするよう努力義務を課す条例来年に制定する方針であることが分かった。10日、市議会総務環境委員会で明らかにした。来年2月に条例案を市議会に提出し、同5月の施行を目指す。

 同様の条例は昨年10月、埼玉県が全国で初めて施行しており、名古屋市で制定されれば、全国で2例目、政令市では初となる。

 市によると、条例案では「階段は両足を一段ずつ乗せて利用しなければならない」とし、駅や商業施設などの管理者には周知することを義務付ける。罰則はない。2026年には名古屋市など愛知県内でアジア競技大会が開催され、県外や海外から多くの人が訪れることが見込まれることもあり、市の担当者は「周知徹底を図るため、来年の制定を目指す」としている。

 市営地下鉄鉄道会社はこれまでも注意を促すキャンペーンをしているが、担当者は「条例制定で官民一体となって啓発に取り組む」と話す。

 昨年度、市内の階段関連の事故救急隊が出動した件数は133件。市が今年4月中旬から5月下旬、駅などの10カ所の階段利用者を調べたところ、99.9%が片足ずつ上り降りしていた。

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