遠洋漁業で家を空けることが多い夫。
次帰ってくるのは半年後だ。
鰹のなめろう。
28の若くも老けてもいない、ただ数年前より確実に瑞々しさがなくなった二の腕に肉片が付いた。
その肉片をふと眺める。
口を近づけ、肉片がついた二の腕に吸い付く。
口の中で舌をナメクジのように這わせ、二の腕についた肉片を食べた。
まだ味付けをしていない生臭い肉片。
あれはいつだっただろうか。
あの時も夕飯はなめろうだった。
味噌や生姜を入れてもまだ鰹の生臭さは取りきることはできない。
私はごめんねというのだが、旦那は「海の男にはこれくらいが丁度良い」と笑い飛ばす。
私は良くないのだ。
歯を磨いても取りきれない生臭さ。
頸を舐め、乳首を舐め回す。
鰹臭くなった身体を洗う。
なんでこの日に限ってなめろうなんて作ったのだろうと後悔した。
ただ、鰹の臭いを洗い流す時間、それも幸せだったのかもしれない。
今はそう思う。
2階にいる息子を呼ぶ。
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GJ…!