2015-01-01

倍額ツッコミパラドックス

プレイヤーは好きな掛け金の額を宣言する。ディーラーは、1/3の確率プレイヤーが宣言した額のお金を支払い、2/3の確率プレイヤーが宣言した額のお金没収する。

例えば、プレイヤーが「100円!」と宣言すると、プレイヤーは1/3の確率で100円を得て、2/3の確率で100円を失う。

このゲームは、プレイヤーが気が済むまで何度でも続けることができる。また、お金の清算は、ゲームを行うごとに1回1回ではなくプレイヤーゲーム終了を決めたときに行われる。

このゲームを行うために、多くのプレイヤーが順番待ちをしており、ゲームをしているプレイヤーゲーム終了を決めると、お金を清算して去っていき、次のプレイヤーゲームを行う。

このゲームには必勝法がある。

例えばあなたが「1万円!」と宣言する。勝てばそこでゲーム終了を決め、負ければ、倍額の「2万円!」と宣言する。

ここで勝てば、ゲーム終了を決める。そうすると1万円の損失と2万円の利益で、差し引き1万円の利益だ。また負ければ、さらに倍額の「4万円!」と宣言する。

ここで勝てば、1万+2万=3万円の損失と4万円の利益で、差し引き1万円の利益だ。また負ければ、さらに倍額の「8万円!」……

というのを繰り返せば、いずれは勝つことができ、また、そのとき最初の宣言金額と同じだけの利益が得られる。

さて。ここでひとつ、大きな疑問が発生する。

全てのプレイヤーは、このゲームで必ず利益を上げることができる。

一方で、このゲーム期待値

「 -掛け金 * 1/3 」

であり、このゲームを何度も行っているディーラーも、大きな利益を上げることができるはずである

しかしながら、このゲームは明らかにゼロサムゲームであり、双方が利益を上げるということはありえない。

一体全体、どうなっているのだろうか。

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