http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100828/biz1008280020000-n1.htm
中国の漁船数を抑制するとあるが、まず、中国が約束を守る国家だと思っているという点が間抜けである。
書類上は制限されていても、出て行った船と帰ってきた船とが同一である事を書類上では確認できない。
同じ管理ナンバーが振られた船が複数あっても、同じ時期に同じ港に入港するというドジをやらない限り、気がつかないのである。
自動車同様に、船体ごとにシリアルナンバーをつけて船舶管理体制が整っているのは、先進国だけである。
さらに、船を海外に移し、海外船籍の漁船としてマグロを取って中国に売るという手がある。
中国籍の漁船数が抑制されたとしても、中国人が運営する他国籍の漁船の数は増え続けるという事になる。そういった船は、漁獲枠や漁期や漁法の規制を守らない。
日本のメバチマグロの漁獲枠は余っているのではなく、国際的に削減を迫られていた分であって、中国に譲渡したのでは、日本が減らした事にならない。国際公約を破るつもりであろうか。
政治主導と言っているが、思いつきで勝手な事をやっているだけでしかない。中国に只で譲るのでは単なる売国であるし、対価をとったとしても国際公約を守らなかったという評判がついてしまっては、外交的に失敗である。
メキシコ湾の汚染によって、大西洋のマグロ資源が壊滅的な被害を受ける以上、太平洋のマグロ資源の価値は相対的に上がる。日本に売れなくても、海外に売れるということで、マグロの輸出が可能になるのである。
メバチマグロはクロマグロに比べれば確かに味は落ちる。しかし、氷点下60度で冷凍し、氷点下50度で管理する日本船が取って日本の業者が売るマグロであれば、メバチでもサシミや寿司で食べる事ができる。ろくな冷凍設備の無い中国船や中国業者に枠を譲っても、貴重なマグロをゴミにしてしまうだけである。
マグロもクジラも、超低温冷凍技術によって楽しめるようになった味であり、それが無い国は、ツナ缶や油だけ抜いて他は捨てるといった使い道しかない。