2009-10-12

最高裁が出した国外退去命令に対して、法務大臣が特別在留許可を出したと言う話。

残留孤児(故人)の四女を自称する母親に連れられて家族4人が来日、故人との血縁関係がない事が判明し、4人全員が国外退去を命じられていて、そのうちの2名がゴネて最高裁まで揉めたという話である。

この国外退去命令は、罪刑法定主義に沿った正当な判断であり、無資格者が資格者を装って入国した不法行為に対し、国外退去によって問題を解決するのは、国際的な常識に沿った判断でもある。

しかし、この判断に対し、法務大臣が特別在留許可を出した。司法の判断を無視する以上、相応の国益がある事が前提であるが、この2名の中国人女性の滞在を許可することに、どのような国益があるのであろうか。説明責任を果たせない限り、権力の行使は濫用でしかない。中国に帰りたくないという人が、中国日本の掛け橋になるわけが無いし、このような実例を作ってしまうと、司法がどれほど頑張っても、税金無駄遣いでしかないとなってしまう。法治主義を、法務大臣自ら放棄するというのはいかがなものか。

首相財務、国土交通金融担当と暴走しているが、法務までというのは、予想外であった。暴走とまでは言わないが、混乱を引き起こしている閣僚もたくさんいる。政治主導と主張しているが、戦後60年かけて積み上げられてきたさまざまな慣例や仕組みを壊す事が目的であるのならば、壊した後に作り上げる新しい社会の姿を具体化させてから行うべきであろう。

権力に遠かった者ほど、それを手に入れた時に濫用するというのは、権力の変転において何度も繰り返されてきた愚行であり、無能な働き者ほど始末に困るモノは無いという常識の傍証となってきた。国会において、国民に対してどのように説明責任を果たすつもりなのか、そして、それに対して国民がどのような行動を取るのかが、これから先の重要な判断となる。選挙で票を投じるしかないという状況は、権力の暴走や濫用が国民の権利に対して直接影響を与えかねない状態においては、抑止力として足りない。マスコミ世論調査も当てにならない以上、時代の変化に即した、責任ある個人が政治家webページに対して人気投票を行って民意を知らしめる手法が、実現する事が望ましい。

http://www11.ocn.ne.jp/~ques/diary/diary.html [2009.10.11]

  • 権力での超法規的措置ではなくて、 普通に法律で認められた、大臣権限だから権力ではなくて普通に権限の問題だから オケー。 ってどこかに書いてあった。 権力での超法規的措置だっ...

    • こういう「最高裁判決より偉い○○大臣命令」みたいなリストってあるんだろうか。 法務大臣はいろいろ握ってそうだよなぁ。そういう意味で千葉があのポストにいるのは脅威。

      • 別に最高裁より偉いわけじゃないって。 最高裁は入管(法務省)の出した退去命令に違法性はないと判断しただけ。 別に退去を命じたわけでも積極的に支持したわけでもない。 違法だと...

    • コピペ貼ってもいいけど せめてエントリ読んでから書けよおまえらw http://anond.hatelabo.jp/20091012150306 http://anond.hatelabo.jp/20091012171100

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