2008-09-16

事故米とか表示偽装とか

こういう事件がここ数年定期的に取り上げられてる。

別に偽装する業者や悪質な業者が最近急に増えたわけでも無いだろうし、たぶん昔より世間が

食品の安全について敏感になってきたので、メディアが関心を引きそうなネタとして報道

始めただけだと思う。

でも、外食生鮮食品、食肉、米、野菜等の各業界の中では当たり前に認識されてたんじゃ

ないだろうか。

うちの実家農家だ。自分も実家にいた5??6年程前までは繁忙期に手伝ったりしていた。

実家ではお米を作っていた、作った米は農協や米の卸業者に販売する。

しかし、当時自分がずっと疑問に思っていた事がある。

それは、店頭に○○県産コシヒカリという表記で並んでるお米と、自分の家から出荷している

同一県産のコシヒカリ。何故か店頭価格の方が安かったりするのである。

農家から卸す時は、30kgの袋に詰めて玄米の状態で出荷する。

それを貯蔵、精米、個装、配送といった過程を経てお店に並んで、何故農家の出荷価格より

安く出せるのか。

ただ安直にそれら全てが偽装というわけではなく、理由はいろいろ考えられる。

たとえばブレンド米というのは価格を抑え味や品質を安定させるという意味では

商品技術として大いに有だと思う。

たとえば同じコシヒカリでも古米や古古米等を混ぜたりするわけである。

新米が入り始めると、古米の価格が下落するのでそれらの米を混ぜる。

それ以外にも多品種との混合、もち米との混合、輸入米との混合等いろいろ考えられる。

それらの技術によって、安く旨く消費者に提供できるのであればむしろ歓迎されるべき

だと思う。

ただ、それらのお米の内容をどれだけ理解して(もしくは正確に伝わって)消費者

購入しているのだろう。

時々○○県産コシヒカリ100%と表記されているお米を見かける。

そういうのを見ると、100%と記載されていない米は何%か他の米が混じっているのか

新米という表記の米も、「新米100%」なのか「新米入り」なのかと単純に勘ぐってしまう。

最近のお米は、どの品種もある程度おいしく食べられる。特に新米で品種別の味の差を

判別できる人の方が稀だと思われる。

実際、自分はコシヒカリ100%と、コシヒカリ50%+ひとめぼれ50%のブレンド米を食べ

比べても、良くて味に違いがあるかな程度で、どちらがどの品種とは、まず分からないだろう。

ただ、味の違いが分かるといっても、同じコシヒカリで土壌の違い肥料の違い育て方の違い

保存方法の違い、精米の仕方の違いで出てくる差異の方が大きいのではないか。

そうなると、ある程度安くてある程度おいしいお米のブレンドができれば内容物について

第三者が食べるだけで判断する事はまず不可能だと思う。

あとは、どこまで食品表示義務が徹底されているか、さらにいえば食品表示偽装が監視

監査され、ペナルティが課されているかという問題になってくる。

どうせ消費者は分からないからと、安くてそこそこの味を出しつつ、表示偽装して値段を

吊り上げても誰もわからない。むしろ、まじめにやっている同業者にしたら同一商品

値崩れしていくわけで、同じように偽装しないと採算が合わなくなってくる。

まさに負のスパイラル状態である。

しかし、流通業界をたたくだけではなく、消費者生産者にもできる事はあるはずだ。

昔と違って、農家は米を自由に販売する事もできる。消費者インターネット等で農家から

直接買う事もできる(その信用できる農家選びが難しいという問題もあるが)。

今後、流通業界が表示偽装を食い止める為に真剣に取り組まないようであれば、既存の流通

使わなければいい。既存の流通経由で得られる食品の「利便性とコスト」それに対して

直接生産者から購入するなり、新たな流通形態により得られる食品の「安全性と安定性」その

バランス次第ではないだろうか。

という事で、実家には直接の販路を開拓していく営業活動が必要だと思うのだが

長年農家だけをやってたら、いろいろ模索はしてるもののそういう点では前に

進まないもどかしさを感じているという話でした。

また今度帰った時にでも話してみようかな。

初めての増田で、まとまりの無い内容ですいません。

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