※この文章は、映画「さよなら、僕らの夏」のネタバレを含む感想です。
殺したいほど憎いと思う相手って、子供の頃にはいませんでしたか?
爆笑問題の太田さんが「子供の方が実は大人より残酷だから、すぐ殺したいとか思う」
という様な事を以前どこかで話していて、確かにその通りかもしれないと思ったことがあります。
「さよなら、僕らの夏」は、少年達が実際にクラスメイトを殺してしまう、というお話です。
題材としてはありがちと言えるのかもしれませんが、淡々と細かく描かれた描写で、登場人物に感情移入できる映画でした。(個人的には、同性婚の親を持つ青年が良かったです。)
この映画を観ると、「子供というのは確かに残酷だったんだ」という事を、改めて感じさせられます。
罪を犯してしまった子供の方ではありません。殺されてしまった子の方の事です。
彼は、実際に嫌な奴でした。とても嫌な奴です。
その嫌な奴っぷりといったら凄まじく、観ている私達にも「死んで欲しい」と思わせるぐらいの嫌な奴です。
でも、いい奴なんです。どうも悪意がある様には感じないんです。
その不安定なキャラクターが新鮮でした。
彼は本当は、人と仲良くなりたい様なのです。でも他人に殺意を持たせる様な事を平気で言うんです。
もう毒舌とか、ツンデレどころじゃないです。バッファロー'66どころじゃありません。「結婚できない男」どころじゃ(ry
人間というのは多面的な側面を持つ生き物です。みんな上手に誤魔化して生きているだけです。
しかし子供の中には、誤魔化す方法を知らない子もいるのです。
そんな子は馬鹿正直に全てを吐露します。殺意の沸く言葉もどんどん吐きます。
そういう行為(好意)を無尽蔵に繰り出してくる乱射魔を相手に、少年達は一体どうすれば良かったのでしょうか。
きっとそういう人物にはなるべく近寄らない様にして、我慢して過ごすやり方(同性婚親の青年)が一番賢いのでしょうが…想像するだけで耐え難いです。
とりあえず気の合わない人と川下りには行かない方が、身の為かもしれません。(そんなオチか
※ちなみにこの映画、あのマコーレー・カルキンの弟、ローリー・カルキンが出てます。
http://anond.hatelabo.jp/20070911080820 続けて自分も。 すがすがしさはなく、暗澹たる気持ちになりながら、見終わってもじんと心に残る佳作。 少年たちの揺れ動く心、けっして単純ではない機...