「証券業務」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 証券業務とは

2009-02-27

ホリエ日記を読みながら

ホリエモン日記です

http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10214351577.html

ホリエモン日記の中にある、ブログの記事です

http://blog.livedoor.jp/dokuringo777/archives/532824.html

金融危機で話題になった「投資銀行のトップたちの報酬が妥当なのか」どうかについて、触れられています。確かに、世の中には多くのお金を稼ぐ人がいます。でも、同じお金を稼いでいても、まわりに認めてもらえる人と、そうでない人がいるのは事実です。なぜでしょう?というのが、上記2つの記事に載っています。そして、自分もこの件に興味を持ったので、書きます。長いのでパソコンで読むとよいでしょう。もし事実と明らかに異なることを書いているようだったら、指摘してください。よろしく御願いします。

結論から言えば、今回話題になった投資銀行家たちの報酬は「三方よし」に合致していないんじゃないか、ということです。自分金融が悪だとは全く思いませんが、「彼らは社会に対して、本当に報酬に見合ったこと(社会プラスになること)をしているの???」とは考えます。民衆サイドの中には、ただの嫉妬や無知金融による儲けを批判する人もいるでしょうが、そういう人たちだけの主張ならこんなに大きく取り上げられることは無いはずです。スポーツ新聞コラムに載るくらいです。冷静に「金融で儲けるのもアリだよね」という多くの人たちまで「この報酬はどうなの?妥当なの?」と感じているからこその問題なのではないでしょうか。

ところで、「三方よし」というのは、「売り手よし、買い手よし、世間よし」のことです。これを社是にする会社もありますね。簡単に言うと、自己利益のみを追求するのではなく、相手や社会にもプラスとなるような取引を心がけるという近江商人の心構えです。Win-Winの先駆けです。この考えに則って(のっとって)考えれば、同じ稼ぎでも「三方よし」に当てはまる稼ぎと当てはまらない稼ぎでは、相手や世間からの風当たりが違うわけです。今回の「巨額報酬に対する批判」は、このあたりに原因があるのではないかと思うわけです。

「世間」の解釈は様々ですが、今回は日本的な意味ではなく広義の「社会」とします。

批判が起きるということは、「三方よし」の言う「世間」の考えと、彼らの年収とに大きなギャップがあったということです。大きなギャップが生まれるパターンは、(1)彼らの年収は適正で、一般事業に携わるわれわれ民衆の作り出した「世間」が彼らを過小評価している。(2)彼らは何らかの倫理的に適さない方法で稼いでおり倫理的に正常な感覚を持った「世間」がそれに気づいた。 ・・・の2パターンです。今回の批判は、この2パターンが同時に発生したと考えてさしつかえないのでは、と思います。どちらか片方に完全に非がある/ない、とは言い切れないからです。

(1)に関して言えば、われわれは彼らの業務内容を完全には把握していない、というのが事実です。もちろん本当の意味で完全に把握できたりしたら、「あの会社はヤバい」「AとBは、今度合併するらしいよ」という情報も把握できるということなので、それはそれで社会が崩壊するでしょう。

ただ、大まかに言えば彼らの行っている仕事は(ア)銀行業務(イ)運用業務/証券業務 に大別されます。きっと(ア)(イ)の合わせ技のような業務もたくさんあるでしょう。そして、(ア)を充実させるために(イ)が必要だったり、またその逆も然りでしょう。(ア)も(イ)も、現代のほとんどの企業がお世話になるサービスです。彼らが尽力したからこそ資金調達できたり、うまく合併できたりするわけです。そうやって元気になった企業が、われわれに良いサービス製品を提供してくれるのです。その資金調達力や、陣頭指揮の能力ノウハウ合併時の財政的なテクニックのみではなくパフォーマンスの良い職場環境を生み出すためのコツなども心得ているはずです。また、彼らがリスクをかぶって証券化して広めてくれないと、事業のためにお金が必要な人(企業)は資金調達に困ります。そんなこんなで、彼らはあまたの企業ライフラインを構築したり太くする仕事をしていて、しかも世界的に見てそのような業界リーダーであるので、彼らの報酬は妥当だとも言えます。製造業と違って、直接の生産設備は不要ですし。ITインフラはすごいでしょうが。

ただ、彼らは自分たちの仕事について多くを語りません。仕事柄、語れません。今回の批判は、彼らの「世間」に対する油断にしろ、しょうがないにしろ「説明責任を果たしていない、説明できない」ところに原因があるとも考えられます。収入の根拠を可視化しきれていない。プロジェクトやその他仕事で彼らの良い仕事を直接見たことのある人からすれば、今の彼らは「悲哀のヒーロー」に見えるかもしれません。

(2)に関しての代表例は、多くの方がご存知のサブプライムローンです。他にも多くの金融商品が生み出されては、時代の波に消えて行きます。その時代の移り変わりすら、彼らは利ざやとして稼いだり、損したりするのですが。そのようなエピソードが紹介されているのが、この本です。金融に詳しくなくても、面白く読めます。よく想像されるような、すばらしい人格者で、頭脳明晰で、経済学数学に長けていて、でもネジの外れた投資銀行家たちがたくさん出てきます。

市場リスク 暴落必然か』リチャード・ブックステーバー (著), 遠藤 真美 (翻訳)

http://www.amazon.co.jp/%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF-%E6%9A%B4%E8%90%BD%E3%81%AF%E5%BF%85%E7%84%B6%E3%81%8B-%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC/dp/4822246671

鋼の錬金術師』という漫画で生み出された(もしくは有名になった)言葉に「等価交換」という言葉があります。無から有は生まれない、水は石にならないなどのいわゆる世の原理原則をひとまとめにした言葉ですが、当たり前のことながら的を射ています。多くの人たちが、前述した「この報酬はどうなの?妥当なの?」という疑問を持つのは、先のサブプライム問題がこの等価交換を破るようなモデルに見えるからであり、事実破綻したからです。言い方を変えれば、その疑念を直接証明できなくても「三方よし」のガイドラインに引っかかった。これが、稼ぎへの批判の源泉なのではないでしょうか。

バブルの教訓と同じく、常に価値の上がり続けるものは有りません。どんなに良くても、横ばいです。不動産だけでなく、金融商品も同じです。時間物理概念が有効である限り、原理原則を超えて稼ぐのは不可能です。ここで無理矢理稼ごうとするから、金融が批判されるのだと思います。金融そのものは、「人間」でないとなし得ない、高度で理性の問われる概念/枠組みなのですが。

以上、長く書きましたが、先の高額報酬批判の原因は、(1)が2割、(2)が8割かなと個人的には思います。秩序ある経済が復活し、様々な産業が息を吹き返す(もしくは生まれ変わる)ことを望みます。わかりやすかろうが、そうでなかろうが、本当に「三方よし」を実践して金を稼ぐ人や企業は大規模な批判には晒されません。また、稼ぐ金に関わらず「三方よし」の概念は有効なので、自分も普段から強く心がけようと思います。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん