はてなキーワード: 猿の手とは
保健室には謎の怪人G(ゲー)が住み着いており、来訪者の願いを叶えてくれるのだという。
(勿論それは「猿の手」的な叶え方なのだが)
ここに、ある女子高生がいた。
美人で男にもてて、常に男の取り巻きがいる。それを誇りに思っていた彼女は
ドクターGに「世界中の男が私を求めて列をなすような、そんな女にしてほしい」と、願った。
ドクターGはどんな手術をしたのだろう?
まず、彼女の足を切り落とした。
そして、腕を切り落とした。
それから、目を潰し、
最後には、のども潰した。
数年後の彼女を訪ねたGは
そこで彼女が高級娼婦として、男達にあがめられている事実を確認する。
彼女は望み通り「男が列をなして通い詰め、面会予約は1ヶ月先まで埋まっている」そんな高級娼婦になっていた。
召使いは言う。
彼女の魅力はまず、
・男を品定めする瞳がない
・うるさく囀る声がない
・すがりついてくる腕がない
・逃げる足がない
そして何より
・「彼女は俺がいなければ生きていけない」と通い詰める男達は言うのだと。
Gは彼女に尋ねた。
「幸せかい?」
彼女はにっこりと笑った。
生活維持省は価値観の転換が主眼に置かれてるけど、イキガミは、試し読みしたかぎりでは、余命宣告をされた人間が残りの時間をどう生きるかを描いた作品っぽい。
星さんはエッセイで『いまタイムマシンものが書けるのは、ウェルズの「タイムマシン」の二番煎じをした人がいたおかげだ』(出典は覚えてない)とか
『フィクションには発想の新鮮な意外さが要求されるが、さらに重要なのはストーリーのまとめ方。うまくストーリーが組みあわさると、強烈な現実感のある、なまなましい余韻を持った作品ができることがある。たとえばジェイコブスの「猿の手」など、三つの願いというアイデアはありふれているが、そこからの展開と結末はまったく異色。』という主旨(『きまぐれ暦』の『SFと寓話』から)のことを述べてたから、もし設定を借りていたとしても十分な独創性があれば焼き直しにはあたらない、と言っていいんじゃないかな。俺は生活維持省のほうが好きだけど。
そもそも、問題になっている「全体の利益のために誰かを殺す制度」が、星さん独自の発想なのかも微妙。『生活維持省』の数年前に海外のSFで既出とかいう話もあるみたいだ。国内にも類似した設定の作品は多い。