はてなキーワード: 出ましたっ!パワパフガールズZとは
最終回の放映が終わり、やっと気持ちの整理がつくようになったので書く。
PPGZは今期最高のアニメだった。なぜなら、今期はこれしか観ていなかったからだ。そして、おそらく私がアニメをみることはもうないと思う。だから、こう言えるだろう。PPGZは私の人生で最も素晴らしいアニメだった。
正直に言おう。確かにお話しとしてはつまらないところもあった。いや、多いといっていい。脚本は稚拙で他愛のないものだったし、挿入される不条理ジョークも落としどころがなくて効果は薄かった。ワンパターンな描写も多かったし、演出上のぬるさも目立った。シリーズ構成の人があまりに古すぎたように思う。
だが、それらを差し引いたとしてもアニメーションは素晴らしかった。赤、青、黄色、緑……色とりどりでカラフルなかわいらしい女の子が画面を動きまわる。それに勝るものがこの世界にあるだろうか?変身シーンのバンクを一度でも観れば私の言っていることがわかるだろう。作画は多少崩れるというか、古くなる回もあったがおおむね良かったように思う。声を担当していた人たちも素晴らしい仕事をした。スタッフたちは二次元の天使たちに血を通わせることに成功したのだ。私はもうほとんど彼女たちと彼女たちの世界の実在を信じかけている。
このアニメはアメリカのカートゥーンと日本の漫画が結合して産まれた、文化の結節点である。和辻哲朗によれば、日本人の創造性は外来文化に対立するものではなく、外来文化のなかから生まれるものだそうだ。スタッフたちはマクラッケンからの問いに見事な解を返した。私は最後に観たアニメが日本文化を体現するものであったことを誇りに思う。
私にはもう何も残っていない。誇れる仕事もなければ暖かい家庭もない。後は緩慢な死を迎えるだけの私の人生で、残ったものはパワパフガールズZを観ることだけだった。それも終わった。素晴らしい終わり方だった。
ありがとうパワパフガールズZ。あなたがたはみんなを救ったのだ。とりわけ私を、私の魂を。これから私は再び退屈な日常にもどっていくだろう。だが、私は恐れはしない。彼女たちの思い出が共にあるのだから。