2024-07-01

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世の中は 一つ叶えば また二つ 三つ四つ五つ むつかしの世や

上見れば 欲しい欲しいの 星だらけ 笠着て暮らせ おのが心に

ほととぎす 自由自在に 聞く里は 酒屋へ三里 豆腐屋へ二里

鴬が 法華経を説くと いうならば 雀は忠忠 烏は孝孝

聞けや人 忠とあしたに 雀の子 孝と夕べに 鴉鳴くなり

一生は 旅の山路と 思うべし 平地は少し 峠たくさん

月々に 月見る月の 多けれど 月見る月は この月の月

忌めば忌む 忌まねば忌まぬ 忌むという 文字は己が 心なりけり

今今と 今という間に 今ぞなく 今という間に 今ぞ過ぎ行く

堪忍の なる堪忍は 誰もする ならぬ堪忍 するが堪忍

語るなと 人に語れば その人は また語るなと 語る世の中

人をのみ 渡し渡して おのが身は 岸に上がらぬ 渡し守かな

笛吹かず 太鼓たか獅子舞の 後足になる 人もあるなり

ぶらぶらと 暮らすようでも ひょうたんは 胸のあたりに 締めくくりあり

おちぶれて 袖になみだの かかる時 ひとのこころの 奥ぞしらるる

急がずば ぬれざらましを 旅びとの あとより晴るる 野路村雨

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