なあナオエ、覚えてる?
ナオエがロンドン留学に出発する日に、付き合ってた「先生」が"はるか"まで追いかけて来はったって言うてたやん。あれ本当?
……ごめんな、変なこと思い出させて。あれ、私の方が忘れられへんかったんよ。
あの話、私が当時付き合ってた先輩のアキさんに話したの。
そしたらアキさん、「ウソや、そんなことある訳ない」って笑わはってな。
私、それがめちゃくちゃショックやってん。ほんで、だんだん腹立って来て。それまではアキさんのこと尊敬してたし、嫌なことがあっても何となく我慢してたんやけど、ナオエの話を笑わはったのを切っ掛けに、気持ちが覚めたというか。別れる踏ん切りがついてん。
今さらごめんな。そんだけの話。