雨が降っていたので、傘も持たずレインコートを着て私は川沿いを歩いた
雨は既に小雨になっていた
それにしてもレインコートはすごい、
雨粒が月々に私の肌から温もりを奪おうと突き刺さるのに全てを防いでくれる
レインコートの下には長袖を着ているので
雨粒が私の肌と会話できることはない
だけども指先に当たる雨はもう春だというのに
冷たくてめに見えないけどまんまるだった
行く先に大きな水たまりがあった
私は濡れてもいい靴を履いてきた
跳ねた水が私の周りを魔法みたいに踊った
踊って転んだ水がレインコートにぶつかった
知らない家の鉢植えの植物が
すってはいて汗を流して呼吸をしていた
私も負けじと二月の酸素を口で鼻で
結局、遊び回ってレインコートがびちゃびちゃになって帰ってきた
本当は雨の中で泣いちゃおうと思ってのに
最後まで泣けなかったけど
部屋の中で熱いお茶をすすりながら
「まいいか」と思った