その日は普段通らない道を選んで駅へ向かった。それがよくなかったのだろう。
街並みが新鮮に感じられ、看板に目を奪われた。
風も強く傘にも気を使う必要があった。
いろいろなことに気をとられ、注意力散漫になったとき、不意に自転車の明かりが見え、うまく避けることができず、「ボケ」と言われた。
余所見していたしと自分に落ち度があったと思いつつ、納得がいかなくて自転車の運転士のあらを必死に探した。
チャリンカスはスマホを見ていなかったし、イヤホンもしていなかったし、無灯火でもなかった。
ほぼアラがない
でも、歩道を走っていたんだった