いずれにしても、パフェを食べに行くとまず「莫迦だろう」と思う。莫迦だろう、旨いものをひたすら縦に積み上げていくというのは、なんというか率直すぎるだろう。それは人類の夢ではあるけれども、夢を叶えるには時々は回り道をしなければならないところを率直に叶えてしまうというのは、なんというか莫迦のすることだろう。
グラスの縁より高く積み上がったものを崩さずに上手くつついていくのは難儀だ。しかしそこで気づく。この絶妙なバランスは、職人の手技なしには成し得ない。
すなわちパフェとは、バカの見る莫迦な夢をそのまま叶えんとする絶え間ない研鑽の上に在るのだ。はじめに夢を見たバカはただのバカだろうが、それを実現させた職人の腕前はその限りではない。積み上がる果物の高さは、そのまま職人の腕前と誇りの高さだ。