こんなものは小説でないと誰かが言うとする。
そんな声が聞こえるような気がするとする。
すると、書きかけの詩をクシャクシャと丸めてしまうとする。
私が書いていたものは詩だと知る。もしくは誰かに宛てた手紙でもいい。
クシャクシャに丸めた手紙はするすると手から離れて飛んでいく。クシャクシャに丸めたはずの仮説とともに。
何処かで聞いたことのあるような声がするとする。
それは誰だったか思い出せないとする。思い出せたとしてもいい。
すると、その声の鳴る方へ走り出すとする。
聞こえていたのは声ではないと知る。
風が鳴る。風が唸る。
そこへ行くにはさらにいくつかの仮説を重ねる必要がある。
ここでは到底余白が足りない。
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