2019-07-08

かせつのうた

こんなもの小説でないと誰かが言うとする。

そんな声が聞こえるような気がするとする。

すると、書きかけの詩をクシャクシャと丸めしまうとする。

私が書いていたものは詩だと知る。もしくは誰かに宛てた手紙でもいい。

クシャクシャに丸め手紙はするすると手から離れて飛んでいく。クシャクシャに丸めたはずの仮説とともに。


何処かで聞いたことのあるような声がするとする。

それは誰だったか思い出せないとする。思い出せたとしてもいい。

すると、その声の鳴る方へ走り出すとする。

聞こえていたのは声ではないと知る。

風が鳴る。風が唸る。


そこへ行くにはさらにいくつかの仮説を重ねる必要がある。

ここでは到底余白が足りない。

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