2017-08-29

暗闇で夫の顔を見ている

一足先に寝床に入り眠っているはずの夫の横へ滑り込む。意外に眠りが浅かったのか、もぞもぞと動き甘えてくる。私は家事という名の夫と子供の後始末を終えたばかりなので、心に愛情を湧かせることができない。

夫が顔を寄せて懐いてくる。手が私の体に触れようとする。私は夫の頭を撫で、手をつなぎ、じっと顔を見る。この人はどうしてこうも自己中心的で思いやりがないのだろう。想像力に欠け、寄り添うことができないのだろう。私の手は優しく夫の手と繋がれているが、私の顔は真顔だ。もしかしたら鬼のようかもしれない。そうだといい、と思っている。

暗闇で夫の顔は見えない。昼間は外さな笑顔仮面おろして、夜この時だけ本当の顔で夫を見ている。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん