うちの会社は省エネかなんかで人がいない時は電気を消すことになってる。
しかし、そんなこととは関係なしに基本暗いところが好きな俺は電気を点けずにトイレに入る。
そんな時、あとから入ってきた人は当然電気を点けて入ってくるわけだが
俺が個室にいることがバレるとだいたいの人は電気を点けっぱなしで去っていく。
内心「消していけよ」と思うが、人がいるのに消すのはなんか失礼な感じがする、という感覚もわかる。
そんなジレンマを抱えながら今日も私は個室で息を潜めるのだ。
――川端康成『雪国』より抜粋――
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