【革靴】が凄すぎるオタクを自称した僕は、渋谷の街を闊歩していた。
(おやおや?人だかりができている。ハロウィンは終わったというのに何事だ。)
近づいていくと、中心にはかの、美しすぎることで有名な彼女がいた。
大勢のサラリーマンが彼女を囲み、自らの足に付属する【革靴】を前に差し出している。
男たちの【革靴】はサドルソープをかなりしっかりと量をつけて泡立てられている。
せっせと、一人で…。
【革靴】から出た汚れを一身に受ける。
そのどす黒い汚れ。まるで今日のために汚れを溜めてきたかのようだ。
なおも彼女に【革靴】を向ける人は増え続けている。
絶望的すぎる状況。
周りの男は冷や水を浴びせられた格好となった。
顔を上げる彼女。
それで僕は彼女に鏡面磨き、してもらったのであった。