夜中に皿の割れる音が響いた
寝静まる住宅街に叫び声が響く
「あんた片付けなさいよ!片付けるまで家に入るな!」
ゴミ袋だけ外に放り出した母はぴしゃりとドアを閉める
僕は自分で割った皿の破片を一人、片付ける。
僕ってどうしてこんなにカッコ悪いんだろう
何をしてもカッコがつかない
人の真似をしても背伸びをしても誰かを気取ったって何者にもなれない
人一倍謙虚で人一倍貪欲だった
与えられるものならなんでも欲しかった
だけどラッキーは続かないんだよね
ラッキーはたまたまくるものだからさ
チャリンコで夜中の道を走り続ける
人がいないほどに僕も生きてていいんだって思ったものだ
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